白神山地と世界遺産
白神山地とは?
青森県と秋田県にまたがる広大なブナ原生林を抱く白神山地。その総面積は約13万ヘクタールにもおよびます。ブナの木は、北海道から九州は福岡あたりまで日本全国で見ることができますが、ほかの木を交えない純林の割合といい、若木が育ち世代交代の進む勢いといい、白神山地が稀有の存在といえます。アルプス山麓のブナ林が失われた今、白神山地は現存する世界でも最大級の、貴重な手つかずの自然の宝庫なのです。
かつて白神の山々に棲まうものたちは「ブナの実1升、金1升」といって、その森の価値を讃えてきました。1升の実を育てるブナ林が、金1升にも匹敵する山の幸を生み出す豊饒の森であることを知っていた彼らは、この山と永続的に共存する道を歩み、その暮らしをたててきました。
この素晴らしい自然の恵みを後世に残すべく、自然と人間の調和を図っていくうえで、彼ら山棲みたちの生き方が我々の指針となるに違いありません。
世界遺産とは?
白神山地のブナ原生林は、貴重な動植物が分布する極めて価値の高い生態系を有する地域と認められ、1993年12月に日本初の世界遺産(自然遺産)として登録されました。この「世界遺産」とは、1972年の第17回ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)総会で採択された国際条約「世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約」(通称『世界遺産条約』)に基づいて決められる全世界共通の財産のことです。
世界遺産条約の目的は、地球の生態系全体にとって普遍的な価値を持つ「世界遺産」を国際的な協力の下に保護し、次の世代へと引き継いでいくことにあるのです。この条約のユニークな点は、従来対立すると考えられがちだった「自然」と「文化」が互いに補完し合う関係にあるとしているところ。これは、白神の山棲みたちの生き方とも共通するものであり、国や民族を超えた人類共通の理念として忘れてはならないことなのです。
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更新日:2023年03月01日